語順と読点(とうてん)

 作文を上達させるもっとも基礎的な力は、「正しい文が書けること」です。

 自分の言いたいことを正確に表現できる文が書けるようになれば、文章を書くことへの抵抗感がなくなり、作文力は一気に向上します。

 そして、文の誤りを敏感に見抜いてそれを正しく直すテクニックは、練習によって身につけることができるのです。

 ではまず、テストにもよく出る基本問題をやってみましょう。

【例題】次の文は、このままでは意味が通りません。どう直したらよいでしょうか。(答えは10行後)

 ・警官は血まみれになって逃げる犯人を追った。









〔答え〕このままでは「血まみれになって」いるのが「警官」なのか「犯人」なのかがわからない、という不備に気づくことが第一歩です。
 それがどちらであるかをはっきりさせるには、「語順を変える」と「読点( 、)を打つ」の二通りの方法があります。

「語順」
 ・警官→血まみれになって警官は逃げる犯人を追った。… A
 ・犯人→血まみれになって逃げる犯人を警官は追った。… B

「読点」
 ・警官→警官は血まみれになって、逃げる犯人を追った。… C
 ・犯人→警官は、血まみれになって逃げる犯人を追った。… D
  
 どれも一応「正しい文」ですが、Aは少し不自然さを感じるかもしれません。

 
 では、少し難しい類題をやってみましょう。(答えは次回)

【宿題】トラックがセンターラインを越えて対向車線を走っていたバイクと衝突した。