プリン好きの生徒が、どんなプリンをどう食べるのが美味しいのかを熱弁していたので思い出しました。
新明解国語辞典(三省堂)は、以前紹介したように厳密でシャープな語釈で知られる一方、
食品については「鴨:肉はうまい」「あきあじ:美味」など、思わず「それってあなたの感想(略)」と
言いたくなるような記述も多く、堅苦しいだけではない人間味を感じさせる一面を持っています。
思い出したというのは、その「新明解」で「プリン」を調べると、「プディング:洋風の、ぷりんぷりんした
生菓子」とあるのです。あんなに真面目な辞書なのに、人間味を通り越してまさかの駄ジャレ。
「新明解」が言うんだから駄ジャレにも深い意味があるんだろうとつい納得してしまいそうになりますが、
同様に「ところてん:さらして煮たテングサから作る、透き通ったぷりんぷりんの食品」というのもあります。
あれ? と思いませんか。
冷静になって考えると、確かに「ところてん」の「ぷりんぷりん」は、弾力のある食感として納得できます。
いやむしろ、「ぷりんぷりん」した食べ物は「ところてん」以外に存在しないのでは、とすら思えてきます。
それに比べると、舌の上でとろける「プリン」なんか全然「ぷりんぷりん」している訳はないので、なんだか
「新明解」には危うくだまされかけた? という不信感さえ芽生えてきます。
極めて好意的に考察すれば、あの「新明解」も、さすがに「ここで駄ジャレを言ったらウケるだろうな」
という誘惑には勝てなかったというところでしょうか。
たまにしょうもない駄ジャレを言っては生徒にスルーされている私にもその気持ちはよくわかるので、
これからも辞書とは良い付き合いをしていきたいものです。
では最後に、「新明解」から食べ物クイズ。次の空欄を埋めてください(答えは下に)。
① 目玉焼き:鶏卵を〔 〕落として、並べて焼いた卵焼き。
② ラーユ・辣油:トウガラシ入りのごま油。〔 〕を食べる時などに使う。
③ ウインナソーセージ:〔 〕のように細いソーセージ。
[答]
① 二つ(目玉ですから。一応「広義では、卵一つ使用のものをも指す」と注釈していますが。)
② ギョーザ(私はソース焼きそばにもかけます。)
③ 指(ちょっと何言ってるのか…。)