中2の一学期に習う文法(国語)の一つに「副詞」があります。
試験に出る機会はあまりなく、品詞としては地味なほうなので、使用頻度はそう高くない印象を
受けますが、実は膨大な数の単語がふくまれています。
たとえば日本語の大きな特徴でもあるオノマトペ(擬声語・擬態語)はすべて副詞ですから、
二音×2(ぴかぴか・どすどす等)や、三音×2(ちゃらちゃら・ひゅうひゅう等)の単語だけでも
かなりの数があるのがわかります。
ちなみに、↑のような単語を思いつくだけ挙げてごらんと授業中に指名すると、(国語の成績の
良し悪しとは関係なく)苦もなく出てくる生徒と頭を抱えてまったく出てこない生徒の差が大きいのに
驚かされることがあります。何の能力が関係しているのかよくわかりませんが、みなさんも他の人に
訊いてみるとおもしろいかもしれません。
そんな「副詞」の、もう一つのパターンが 「( )っ[ ]り 」(あっさり・うっとり)という
語形です。ただし下に「と」を続けられるのが「副詞」です(あっさり-と・うっとり-と)。
「つっぱり」とか「でっぱり」は「副詞」ではないので注意が必要です。
ではこの「あっさり」語形の副詞、国語辞典に立項されている、つまり正式に日本語として認め
られている語はいくつくらいあると思いますか。予想してから三行下を見てください。
・・・中高生の学習用としておススメの「明鏡国語辞典(第三版)」で数えてみると・・・その数
なんと九二語!
この結果でわかることが二つあります。「副詞」って意外に多いんだということと、こんなものを
数える物好きな人間もこの世にはいるんだということが。
そしてここで今回の問題です。「あ」で始まるのは「あっさり」の一語ですが、一番多かったのは
「ほ・ぼ・ぽ」で始まる十語でした。思いつくままに挙げてみてください。答えは十行下に。
(ディスプレイ上では「ぼ」と「ぽ」が視認しづらいのでご容赦を)
[答]ぽっかり・ぽっきり・ほっくり・ぽっくり・ほっこり・ぽっこり・ほっそり・ぽっちり・ぼってり・ぽってり
二、三個「?」と思うものもありますが、辞書によって収録語には多少の相違があります。